ジスロマックとベテラン医師

ジスロマックの抗炎症作用とクラミジア感染症の病期

ジスロマックは抗生物質の中で特異なマクロライド系で、幅広い抗菌スペクトルを持ち、細菌による様々な感染症に効果があります。最も有効的なのは性感染症であるクラミジアと、複合感染によって起こる淋病で、この2つの病気はジスロマックを使用した治療で90%以上と高い成功率を誇ります。クラミジアは日本で感染者の一番多い性感染症で、感染力が強く性器だけでなく咽喉にも感染するため、性器同士が接触しなくてもオーラルセックスやディープキスで口腔または性器に感染します。クラミジアの病期の中で急性期と呼ばれる初期症状ではほとんど自覚症状が出ないため、気づかないままパートナーにうつしてしまうケースが多いようです。そのため、日本だけでなく世界中でも高い感染率を持つようになっています。クラミジアの終末期では尿道炎や卵管炎から徐々に内部に広がっていき、肝周辺炎や不妊、無精子症などの原因となるため、早い段階で治療することが重要となっています。ジスロマックはクラミジア感染症の特効薬として有名ですが、それ以上に抗炎症作用があることが認められています。これは尿道炎や卵管炎だけでなく、扁桃腺の腫れ、気管支炎、中耳炎などにも有効で、細菌が感染することによって起こる歯周病にも利用できるため、歯科や耳鼻科、その他の診療科目でも炎症を鎮めるための治療薬として処方されます。低濃度で使用しても効果は薄く、耐性菌を作ることにもなるので、ジスロマックは成分であるアジスロマイシンを1,000mgや2,000mgなどの高濃度で使用します。強力な抗菌作用を示すため、体内で悪玉菌だけでなく善玉菌まで退治してしまい、下痢や腹痛といった副作用を引き起こすこともあります。